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匠級の外観検査員育成に向けて!~感察工学研究会 目視検査のポイント~

2014年10月01日(水)

去る9月12日(金)、大阪工業大学大宮キャンパスのものづくりマネジメントセンターで、2014年度第2回感察工学研究会が開催されました。

感察工学研究会とは『中心視と周辺視を対立軸として,それらを包含する学問領域の創出を図ると共に,現状の技術の調査、整理を行う事を目的に』設置された、画像応用技術専門委員会のワークグループです。

香川大学、大阪工業大学や周辺視目視検査研究所といった教育・研究機関、住友化学や三菱マテリアルなどの企業、関西生産性本部や南大阪職業技術専門校など、さまざまな関連企業・機関が参加されています。

そこに今回、協力企業として弊社の品質保証グループ 検証チームリーダーと外観検査員が参加させていただきました。

 

当日は協力企業、各検査員によるデモンストレーションを実施。

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(写真)本社工場で生産した見本品で検査のデモをする外観検査員。

 

三郷金属工業でも、生産した製品の外観(目視)検査を機械の目と合わせて人の目でも行ないます。

しかし、一般的に目視検査指導に実は大きな落とし穴がある、とのこと!(汗)

①「よく見る」=じっとみる

②「こうならないようにする」=不良見本を参考にする

という指導を考えがちですが、実はそこが誤り!

 

①「じっと見る」=中心視=焦点を一点に集中するため、実はよく見える範囲が狭く、(検査に)時間がかかり、さらに肩こりなど疲れやすいとのこと。

ヒトの眼球の構造はモノをよく見る中心視で使われる錐体(すいたい)細胞と、全体を眺める時の周辺視で使われる桿体(かんたい)細胞の2種類があり、中心視の錐体細胞は黄斑(下図参照)に密集して約600万個あるのに対し、周辺視の桿体細胞は網膜全体に1億2000万個、つまり錐体細胞の20倍、あるそうです。

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(図)目の断面。

なので、まずは周辺視を使って全体を眺め、製品にあたる光の角度をこまめに調整しながら全ての製品を見ます。すると「影が大きい」など、ちょっと他と違うものがあることに気付きます。そして他と違うものを見つけたらそれをよく見て(中心視で)確認し、不良と認められれば排除する、というふうにするといいのです。

 

それでは、②「不良見本を参考にする」のが何がいけないのか。不良見本による訓練は、不良を探してしまうのでいけない、ということ。またその見本にはない不良の可能性のある製品を見逃すことにもつながりますね。

 

目視検査のポイントは他にも、

・照明(明るければよいというものではない)

・検査結果(フィードバックすればよいということではない)

・訓練(周辺視と中心視を使い分けるには指導と訓練が必要である)

などが挙げられました。とても勉強になりました。ありがとうございます。

m(_ _)m

 

そして感察工学研究会で学んだことを持ち帰り、社内に展開!まずはLOP by SMIという「社員の、社員による、社員のための」社内研修会で発表。

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そして全従業員向けに部署ごとの朝会で発表。

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合わせて、社内発表資料を各部署ごとに配布し、いつでも閲覧できるようにしました。ここからは各部署でこの『匠級目視(外観)検査員』の育成です!

・・・実は、弊社でもすでに周辺視と中心視を使い分けての外観検査に取り組んでおりました。ただ、今回の研究会で学術的・工学的裏付けを明確に学べたので、これからはさらに科学的に取り組むことで、「匠級外観検査員」の育成に取り組みます!

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弊社では外観検査にも治具を使っています。写真は製品をトレーごと裏返して、表面と裏面の溶接状態の確認を素早くするための裏見用の治具。

品種ごとにこれら専用の治具を製作し、目視がしにくければ治具の厚みを調整し、片手で持つのが重たければ(弊社ではほとんどの外観検査員は女性です)持ちやすいよう軽量化を図るなど、治具自体の改善にも継続的にとりくんでいます。

ですが、治具があるからと言って誰でも「匠級」の外観検査員になれるわけではありません。感察工学研究会でも触れられていたように、周辺視を使いこなすには訓練が必要です。弊社のある工程の場合、最低2~3週間はかかります。そしてこの2~3週間の研修期間中に良品の中に不良品をいくつか混ぜて、不良品を正確に見つけ出す訓練を行なっています。

 

今回学んできたことをベースに、現在取り組んでいる共育(教育)内容をさらに昇華させます!