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溶接問題解決ブログ

2018年01月22日掲載

事例109:チタン(Ti)のYAGレーザーによる突合せ溶接

レーザー溶接、突合せ 溶接
チタン

3Dプリンターで成形した長さ100mm程度、厚さ10mm程度のチタンブロック同士の
突合せ溶接を行ないました。

研究開発 検証027.jpg

上の写真はテスト中の溶接面です。上から下に向けてレーザー出力値を変えて順次照射中。始めのころの溶接部分(画像の上のほうの溶接痕)をよーく見てみると、一部青色の部分が・・・

◆チタン溶接部の健全性の良否について
チタン溶接部の健全性の良否は、溶接ビードの発色の程度により判断が可能です。コンタミネーション(雰囲気中の酸素及び窒素の流入による溶接部の変色)がないものほど健全性が高く、ベストはチタン溶接部が銀色のもの。以下、金色・麦色→紫色・青色→青白・灰色と発色が変わるごとに健全性が低下し、白・黄白色になると溶接部はかなり脆弱になっていると言えます。

そこで改めて上の写真をご覧いただくと、レーザー溶接テストを始めた当初のレーザー溶接痕(上の写真、上部の溶接痕)は一部に青色の発色が見られます。ここからレーザー出力の数値を調整していき、上の写真で下方の溶接痕が金色・麦色に変わっているのがお分かりいただけると思います。

実はチタンは非常に活性の高い金属で、比較的低温でも溶接時に酸素と反応し溶接した部分が酸化=脆化しやすいという問題があります。つまり、チタンの溶接は「いかに溶接部を大気から遮断するか」が重要となります。
チタンの溶接で主流のTIG溶接の場合、溶接後も200℃以下に冷えるまで大気に触れさせないようにするためにはアフターシールドとバックシールドが必要となります。
一方、レーザー溶接(スポット溶接)の場合は急熱急冷という特徴があります。母材への熱影響は極小のため、バックシールドは今回は使用しませんでした。
※同じレーザー溶接でもシーム溶接の場合は急熱ですが急冷とは言えませんのでバックシールドが必要になる場合があります。

結果、目視による健全性は合格(下の写真)。アフターシールドガスの当て方がシビアでしたが最終的にはうまく加工出来ました。

研究開発 検証001.jpg
 
◆引っ張り強度について
1周ぐるっと溶接を行なうことで、大人の男性がかなり力を入れてひっぱっても外れない程度の強度を出すことが出来ました。

◆使用設備について
今回使用した設備は弊社にある350wのYAGレーザー機です。

◆素材について
3Dプリンターで成形された金属の加工は初めてで、一般的なチタン素材の板材とは見た目が違うように見えましたが、結果、問題なく溶接することが出来ました。

注)今回はある程度厚みのあるチタンブロックでしたので溶接条件の絞り込みは比較的容易でしたが、板厚が薄くなればなるほど溶接条件がシビアになります。特に板厚1mm以下の薄板の場合は純チタンかチタン合金かによって溶接性(溶接のしやすさ)が変わりますので、ご注意ください。

金属の3Dプリンターは最近は展示会などでもよく見かけますので、そろそろ3Dプリンタで成形した金属部品の溶接といった依頼が増えてくるかも知れませんね。航空機や化学工場、スポーツ用品からメガネフレーム、手術時に体内に埋め込まれる生体用金属材料としても有望とされるチタン合金は種類もたくさんあります。特に薄板溶接、精密溶接をお考えの場合は組成、細かい種類についてもご確認ください。
薄板、精密溶接については弊社が一番得意とするところですので、ご不明な点等ございましたらお気軽にお問い合わせください。
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